スクリーンを飾ったあの名車、少ししか映らなかったけれど忘れがたい車…
そんな映画に登場した“気になる車”をカーセンサーnetで見つけよう!

今回は何故か複数形!? 伝説のヒットマン(ズ)が帰ってきた!!

隣のヒットマンズ 全弾発射|映画の名車
『隣のヒットマンズ 全弾発射』(DVD・発売中)2004年・米 監督:ハワード・ドゥイッチ 出演:ブルース・ウィリス/マシュー・ペリー/ナターシャ・ヘンストリッジ/アマンダ・ピート/ケヴィン・ポラックほか 販売:日活 ¥3,990(税込)
第46回で取り上げた『隣のヒットマン』の正式な続編。前作のコラムの冒頭で“出演者にブルース・ウィリスの名があれば、大間違いはない!! ”と書いたが、それは、それだけブルースが作品選びに慎重だからだといえる。ハリウッド俳優といえば「金さえもらえりゃどんな駄作だってOK」ってな連中ばかりだけに、この姿勢は素晴らしい。なかでも安直になりがちな続編モノへの出演は、もっともブルースがデリケートになっているポイント。十八番の『ダイ・ハード』シリーズ以外では、声優として出演した『ベイビー・トーク』くらいしか続編への出演歴はない。だからこそ、2004年公開の『隣のヒットマンズ 全弾発射』は一つの事件だった。コメディアンとしての才能を開花させた前作を気に入っていたことは想像に難くない。

伝説のヒットマン、コードネーム“チューリップ”ことジミー・チュデスキ(ブルース・ウィリス)がオズ(マシュー・ペリー)の家の隣に引っ越してきたことで、大騒動が巻き起こってから4年の月日が流れた。ジミーはすでに殺し屋を引退し、ジル(アマンダ・ピート)と一緒にメキシコの郊外で暮らしていた。長髪にエプロンで主夫業に精を出すその姿にもはやヒットマンの面影はない。一方、悪妻と縁を切り、ジミーの前妻・シンシア(ナターシャ・ヘンストリッジ)と結婚をしたオズは、すっかりセレブ歯医者気取り。もはや10年落ちのカローラではなく、ピカピカの青いポルシェカレラカブリオレを颯爽と駆って毎日通勤している。

そんな中、ジミーに殺されたヤンニの実父にしてマフィア界のドン、ラズロ(ケヴィン・ポラック)が刑務所から出てきた。ラズロは、ジミーがオズの歯型偽装により世間的には死んだことになっているけれど、生きていると確信。シンシアを誘拐してオズから生存の言質をとることに成功した。果たしてオズはメキシコまでポルシェを飛ばしてジミーの家まで助けを求めに出張る。だが、目立つ行動をしたくないジミーは取り合おうとはしなかった。それでもどうにか説得に成功するオズ。一見単純な事件に見えて、その裏ではとんでもない秘密が隠されていた。驚愕&笑激のクライマックスへ向けて物語は転がり始める!!

恐怖の悪妻、ソフィ(ロザンナ・アークエット)の姿がないのは残念だが、その他のメインキャストが再集結(ケヴィン・ポラックでさえも!! )しているので、前作を予習復習しておくのがベスト。続編単体でも話が独立している映画も多いが、本作の場合は人間関係が複雑なのでちょっと難しいだろう。序盤で登場する2人の少年と中年男の関係に「?」が浮かぶようだと、置いてきぼりを食うかもしれない。とはいえジミーvsマフィアという前回同様の対立構図にオズが巻き込まれていくプロットは前作と一緒。ここに味つけとしてジミー、ヤンニ、ラズロの数十年にわたる因縁やビッグマネーが絡んでいくことになる。

全体的なデキとしては及第点という程度。突出した部分はないものの、前作ファンにはニヤリとさせられるやり取りのてんこ盛りなのは嬉しいプレゼントだった。ただし、1点だけ大きな不満がある。圧倒的にエロスが足りないのだ。前作でスッポンポンになってくれたジル役のアマンダ・ピートは、下着姿でオズを誘惑するシーンこそあるものの、せいぜい寸止めまで。立っているだけで匂い立つようなフェロモンを発散するシンシア役のナターシャ・ヘンストリッジに至っては見せ場らしい見せ場がなく、その素晴らしい肢体を堪能できるような場面もほとんどなかった。せっかくプロポーション抜群の女優を2人も抱えているのに、これでは宝の持ち腐れだ。制作関係者に猛省を促したい!!

映画に登場する車たち

ポルシェ 911カブリオレ(996型)

前作のクライマックスで大金をせしめたオズ。年季モノのカローラから8万ドルの青いポルシェに愛車もグレードアップ。オープンで街中を颯爽と流し、セレブな歯科医を気取っている。このポルシェは996型のカブリオレ。1997年に発表された6代目カレラだ。空冷から水冷にエンジンが刷新され、ヘッドライトも丸目から涙目になるなど、従来のポルシェらしさが薄れてしまったため、熱心なファンからは反発の声も少なからずあった。発売当初は車体前半部をボクスターと共用していたが、差別化を図るために2002年モデルから独自のヘッドライトに変更。


Text/伊熊恒介