なっとうさん(千葉県)
投稿日: 2017年9月9日
3点
550cc時代のターボはキャブレターのみの設定だったように記憶しているが、50馬力を発揮するインタークーラーターボで、5速マニュアルと軽い車重も相まってなかなか強烈な加速を見せる。
峠道なら、当時のリッターカークラスはおろか1.5リッタークラスにも引けを取らない動力性能を発揮した。
その分剛性は低く、ミシミシと至る所から軋み音がしたのは砡に瑕。
この時代の軽自動車は鉄板むき出しの車内が当たり前の中、フルトリム化され随一の高級感を誇る。
スバル以外では数少ない4輪独立懸架を採用したややソフトな乗り味は心地良かった。
何よりも特筆すべきはそのエクステリアで、当時流行していたフラッシュサーフェースの平滑なボディが漸く軽自動車に取り入れられた。特徴のある異形ヘッドライト、ブリスターフェンダー、それに縦型のドアハンドルとても凝っていた。
1983年のジュネーブショーでイタルデザインにより発表されたコンセプトカー、ルノー・ガビアーノを凝縮したようなリアスタイルは国産車離れした上質さがある。
それにしてもきちんとパテントを買ったのだろうか?
前半部はトヨタ・カローラⅡが、後半部はダイハツ・リーザがと、トヨタ系の2社が奇しくも3年後に同じような意匠の車を発表した。(笑)
ベースのミラよりホイールベースを短縮し、より寝かせたフロントウィンドウと傾斜したリアハッチ、更に当時の軽自動車は税制上有利だからとボンバンであったため室内も居住スペースも狭かった。
特にリアシートはパッドが貼ってある上等な荷物置き場で、とても人が乗れるスペースでは無いし、メーカーも使う人など居ないと割り切っていたのだろう。
そこまでしても荷室は挟まく、2人分のスキーセットが天井ギリギリまで埋めてなんとか収容できるスペースしかなかった。
凝ったエクステリアに対し、フルトリム化のコストを他の部分で削ったようなインテリアは残念なことに平凡で、2本スポークのハンドル共々スポ-ティーさの欠片も無かった。
何よりも貨物車らしくリアウィンドウには荷崩れ防止用のバーがあり、ガラス越しに見えるこれがなんとも恰好悪かった。
乗車定員は4名だが、2名用と割り切ればストレスの無い上質な道具となる。
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